Japanese
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Perspective◆展望
「患者の意思決定」について考える
How to decide what is right
内潟 安子
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター
pp.7-8
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101657
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本号の特集は,「やせたい」を科学するです.「やせたいな」,「やせるために新しい運動靴を買おうと思っている」,「やせるために夕食後散歩を始めて6カ月になります」という話になると,Prochaskaによる行動変化の5段階の「変化ステージ」を思い浮かべる読者が多いことでしょう.さしずめ,「やせたいな」は熟考期,次の気持ちは準備期,そして,最後の「やせるために夕食後散歩を始めて6カ月になります」は,維持期の段階だなと判定できます.
ところで,薬や検査を受けることが患者のメリットになると医療者が判断しお薦めしても,患者さんには,そうですねと医療者の判断をすぐ理解してくれる「気が進む」方と,「気が進まない」方が臨床の場ではおられます.医療者が薦める今日いま利用できる治療法を受けることが健康であり続けるための最善の方策であると信じている方と,医学の知識が十分ある方でも薬を飲むことによって得られるメリットと副作用などのデメリットを考えて医療者の判断に懐疑的な態度をとる方です.これは,前述の行動変化のステージとは,また別の尺度です.
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