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日本看護倫理学会第6回年次大会 教育講演
患者とともに生きる
Live and forward together with patients
髙本 眞一
1
1社会福祉法人三井記念病院
pp.96-97
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
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- Abstract 文献概要
看護倫理学会での講演ということで、この学会名に入っている「倫理」について考えてみた。今日の社会では倫理という言葉がルールと置き換えて捉えられていることが少なくない。私は倫理の本来の意味は生き方だと考えている。どのようにこれから生きるのか、生きようとするのか、看護師であれば、どのようにして、どのような看護師になりたいかを突き詰めることではなかろうか。
2001年、アメリカの医学協会が医療の質をよくするための6つの目的、Safety, Clinical Effective, Patient Centered, Timeliness, Efficiency, Equitableがあることをレポートで公表した。ここでPatient Centeredと掲げられたことで、公に初めて患者中心主義の概念が言われたこととなった。それまではDoctor Centeredの状況であり、医師の言うことがあたかも全てであると考えられてきた。しかし実際のところ、医師の力はたかが知れている。私は医療においては患者が最も大切な存在であると考えている。患者を治療することで、医療者はどのように生きるかを考える機会が与えられるのである。患者の前に医療者があるわけではない。患者の存在があってこその医療であり、看護なのである。しかしながら、時にこれとは逆転の発想が生じてしまうことがある。
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