Japanese
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特集 脳炎治療アップデートと脳炎後遺症リハビリテーション治療
5 脳炎後の記憶障害とリハビリテーション治療
Rehabilitation of Patients with Encephalitis with Memory Disturbance
浦上 裕子
1
Yuko Urakami
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院第三診療部
キーワード:
ヘルペス脳炎
,
自己免疫性脳炎
,
Wernicke脳症
,
記憶障害
,
リハビリテーション治療
Keyword:
ヘルペス脳炎
,
自己免疫性脳炎
,
Wernicke脳症
,
記憶障害
,
リハビリテーション治療
pp.491-497
発行日 2023年6月18日
Published Date 2023/6/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨 記憶障害を生じる脳炎は,大脳辺縁系が障害されるヘルペス脳炎,抗NMDAR脳炎などの自己免疫性脳炎,Wernicke脳症などの代謝性脳症が代表的である.ヘルペス脳炎では内側側頭葉の損傷により重度の前向性健忘を生じ,遷延する.陳述記憶やエピソード記憶も選択的に障害されるため,保たれる手続き記憶や意味記憶を用いたリハビリテーション治療を行う.発症早期に免疫学的治療が行われた自己免疫性脳炎の記憶障害の回復は良好である.Wernicke脳症は視床が損傷され健忘症候群を呈し,再生・再認とも障害されるため,誤りなし学習などの治療を行う.記憶障害の内容や程度に応じたリハビリテーション治療を選択することが必要である.
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