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二次出版:高齢心不全入院患者における早期リハビリテーションと移動能力の関連性—全国的な後方視的コホート研究
Association Between Early Rehabilitation and Mobility Status in Elderly Inpatients with Heart Failure : A Nationwide Retrospective Cohort Study
八木 麻衣子
1
,
康永 秀生
2
,
松居 宏樹
2
,
伏見 清秀
3
,
藤本 雅史
4
,
小山 照幸
5
,
藤谷 順子
4
1聖マリアンナ医科大学東横病院リハビリテーション室
2東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学
3東京医科歯科大学大学院医療政策情報分野
4国立国際医療センターリハビリテーション科
5亀田総合病院リハビリテーション科
キーワード:
早期リハビリテーション
,
高齢入院患者
,
心不全
Keyword:
早期リハビリテーション
,
高齢入院患者
,
心不全
pp.99-108
発行日 2022年1月18日
Published Date 2022/1/18
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- 参考文献 Reference
要旨
目的:本研究は,高齢心不全入院患者において,入院中の早期リハビリテーションと移動能力との関連性について検討することを目的とした.
方法:厚生労働科学研究班Diagnosis Procedure Combination(DPC)データベースを用いた後方視的コホート研究.対象は2010年7月〜2014年3月までに心不全で入退院した527,440名のうち,選択基準を満たし,入院中に心臓リハビリテーションを実施した146,735名とした.入院後3日以内のリハビリテーション介入例を早期リハビリテーション群(n=39,357),それ以降の介入例を非早期リハビリテーション群(n=107,378)とし,早期リハビリテーションと入院中の移動能力変化との関連性を,多変量ロジスティック回帰分析および操作変数法を用いて検討した.
結果:入院中に移動能力が維持・改善した割合は早期リハビリテーション群で高かった.多変量ロジスティック回帰分析において,早期リハビリテーション群では移動能力が有意に維持・改善した(オッズ比 1.32:95%信頼区間1.21〜1.43,p<0.001).操作変数法において,早期リハビリテーション群で有意に移動能力が維持・改善した割合が高かった(リスク差 0.8%,95%信頼区間 0.4〜1.1%,p<0.001).
結論:高齢心不全入院患者への早期リハビリテーションは,非早期リハビリテーション群と比較して入院中の移動能力を維持・改善させることが示唆された.
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