Japanese
English
特集 感覚障害のリハビリテーション医学・医療
1 COVID-19による嗅覚・味覚障害のメカニズム
Mechanism of Olfactory and Gustatory Disturbances Caused by COVID-19
久壽米木 駿
1
,
上羽 瑠美
1
,
近藤 健二
1
,
山岨 達也
1
Shun Kusumegi
1
,
Rumi Ueha
1
,
Kenji Kondo
1
,
Tatsuya Yamasoba
1
1東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
キーワード:
SARS-CoV-2
,
COVID-19
,
嗅覚障害
,
味覚障害
,
ACE2
Keyword:
SARS-CoV-2
,
COVID-19
,
嗅覚障害
,
味覚障害
,
ACE2
pp.1350-1355
発行日 2021年12月18日
Published Date 2021/12/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 COVID-19の特徴的な臨床症状として,嗅覚・味覚障害がある.これらの化学感覚の喪失は,他の症状が寛解した後も持続することがあり,生活の質を低下させることから重要な問題である.COVID-19による嗅覚・味覚障害の原因として,鼻腔の嗅粘膜および舌の味蕾にSARS-CoV-2ウイルスが宿主細胞に侵入するためのアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体,およびそれを補助するセリンプロテアーゼ(TMPRSS2)とタンパク質変換酵素(Furin)が多量に発現しているため,ウイルスの影響を受けやすいことが挙げられる.嗅粘膜で炎症と形態的損傷が起こり,次に嗅球ニューロンが損傷を受けることで,COVID-19による嗅覚障害が遷延する可能性がある.しかしながら,現時点では不明な機序が多く,解明のためには今後の症例検討や実験的研究が必須である.
Copyright © 2021, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.