骨折予防のための栄養と運動
ロコモティブシンドロームとその予防
松本 浩実
1
,
尾崎 まり
1鳥取大学医学部附属病院 リハビリテーション部
キーワード:
運動療法
,
無重力対策
,
ロコモティブシンドローム
,
運動機器
Keyword:
Exercise Therapy
,
Weightlessness Countermeasures
pp.317-324
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2017043289
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ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは筋肉,骨,関節,軟骨,椎間板といった運動器に障害が起こり,「立つ」「歩く」といった基本的動作能力が低下することで,進行すると介護が必要になるリスクが高くなる状態のことをいう.その有病率は70歳未満だと8%前後であるが,70歳代では17%前後と急速に高くなり,本邦の推計有病者数は650万人にも上ることが報告されている.ロコモのスクリーニング法として「ロコチェック」,「ロコモ25」といった自己記入式質問紙に加え,2015年には「立ち上がりテスト」,「2ステップテスト」といった運動能力テストを用いたロコモ度判別方法「ロコモ度テスト」が発表された.ロコモ予防法としては,スクワット運動などを中心とした下肢筋力増強訓練が勧められる.一方で,ロコモといっても,個人によって基礎運動器疾患が異なり,さらに高齢者になるほど体力のばらつきも大きいことから,適切な評価をもとにした包括的な指導が必要である.
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