巻頭言
専門医制度を考える
田辺 秀樹
1,2
1田辺整形外科医院
2日本リハビリテーション医学会
pp.596
発行日 2019年8月16日
Published Date 2019/8/16
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- 文献概要
昭和37 (1962) 年日本麻酔科学会が制定した「指導医制度」が始まりとなり,他の診療科でも専門医の質の向上,社会的認知促進などをめざして,専門医制度が広がってきた.そして,卒後研修制度ができて,後期研修では各領域の学会が定めた独自のプログラムで専門医の認定が行われてきた.しかし,先進諸国の中で,統一された後期研修制度がない国はほとんど存在しておらず,国民からも専門医がわかりにくいということから,4年前に厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の報告を受けて日本専門医機構が設立され,統一された後期研修体制をつくり運用するように現在も進化し続けている.
日本専門医機構では,19の基本領域専門医を基盤として,2段構造としてサブスペシャリティー領域を設定することになっている.整形外科もリハビリテーション科も,同じ基本領域に配置されている.将来どうなるかわからないが,現在では2つの基本領域専門医の資格がもてる.このことが混乱をもたらしている.実際2つの基本領域専門医を維持していくのはなかなか難しく,将来的には1つに絞られていくのではないかと考えている.そして,現在日本専門医機構で議論されているのは,サブスペシャリティーの認定とシーリング問題(各科,各地域でどれだけの医師数が必要か)である.
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