第51回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 パネルディスカッション◎ポストポリオ症候群(PPS)と社会
「全国ポリオ会連絡会」の歩みと今後の活動
柴田 多恵
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1全国ポリオ会連絡会
pp.701-703
発行日 2015年11月18日
Published Date 2015/11/18
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ポリオ罹患者の会の発足と,ポストポリオ
私は1歳半の1957年(昭和32年)の夏にポリオにかかり,左下肢に麻痺が残っている当事者である.1995年,私は神戸でたった二人で,ポリオにかかった人たちの会を立ち上げた.「ポリオネットワーク」だ.後遺症が軽かったため,小学校以来ずっと普通校で過ごした私は,今から19年前の1995年,あるところで初めて,同じポリオの後遺症を持つ女性に出会った.ポリオに関する悩みを話したところ,彼女は笑いながら「ほんまやね」と共感してくれた.この「ほんまやね」は心の中で何度もリフレインされ,私はこの共感をもっとたくさんのポリオの後遺症を持つ人と分かち合いたいと思うようになった.このようなきっかけで結成した会は,瞬く間に大きくなっていった.
会が大きくなるにつれ,大変なことが分かってきた.ポストポリオのことだ.ポストポリオについて国内で最初に論文を書かれた長嶋淑子先生から,ポストポリオのことを教わった.ポストポリオの症状とされている事柄は,私たちの会に集った仲間たちの抱えている悩みに見事にあてはまった.
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