第51回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 教育講演
フレイルの概念と予防
鳥羽 研二
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1独立行政法人国立長寿医療研究センター
pp.51-54
発行日 2015年1月18日
Published Date 2015/1/18
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はじめに
フレイルは老年医学の最も大事な概念の1つで,高齢者の中核症状である.フレイルは以前は「虚弱」と訳されてきたが,可逆性が高いことから,動揺性のニュアンスをもつフレイルという呼び方に日本老年医学会で決定された.
フレイルは身体的なもの(Physical Frailty)と精神的なもの(Cognitive Frailty,Mental Frailty)および社会的なもの(Social Frailty)に分かれる.これらの評価は高齢者総合的機能評価(CGA)の項目そのものである.
フレイルから要介護に至らぬように,介護予防事業が行われているが,内外のフレイルのエビデンスに基づき,科学的アプローチを行うことが必要である.回復期リハビリテーション(以下,リハ)や通院,通所リハは,フレイルが対象となることが多い.この場合CGA以外に,フレイルの臨床的表現形である老年症候群の理解が必要で,患者,家族にとってはリハによって副次的にこれらの改善がみられることが重要である.
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