第49回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/福岡 《特別講演》
産業医学とリハビリテーション
大久保 利晃
1
1公益財団法人放射線影響研究所
pp.667-669
発行日 2012年10月18日
Published Date 2012/10/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
労働負荷が健康に及ぼす影響の解明,その予防法,労働と健康の調和などが産業医学の使命で,その知見を労働現場に適用するのが産業医の役割である.産業医学のうち健康面に重点を置くと産業保健と呼ばれ,労働負荷・労働環境面との関わりに重点を置くと産業衛生とも呼ばれる.類似語としては,労働医学,労働衛生,労働保健などの用語も使われる.これらの定義でも分かるように,産業医学では,労働負荷と健康状態・体力のバランスを考え,労働による健康障害を予防するとともに,労働者の健康維持増進に寄与することが使命となる.この際,労働負荷とのバランスは労働時間や賃金などの労働条件の影響を受けて変わるので,職場毎にまた労働者毎に変化することに留意する必要がある.したがって,その時の経済状態,産業構造,雇用需給などによって主要課題が変わるので,その対策もまた柔軟さが求められる.このように課題自体が変化するので,他分野から産業医学を見たときには,その専門性を理解することが難しい.
Copyright © 2012, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.