第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《パネルディスカッション》リハビリテーション科医が育つために必要なシステムは何か―座長/菊地 尚久・佐伯 覚
リハビリテーション科医に求められるものとその教育:教育委員会の立場
岡島 康友
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1杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
pp.685-687
発行日 2009年11月18日
Published Date 2009/11/18
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リハビリテーション科の領域
日本リハビリテーション(以下,リハ)医学会は多彩なバックグラウンドをもつ医師集団であり,リハ医学会以外を主な所属学会としている会員も多い.したがって,「リハ科医」という言葉にいろいろな思いがあり,加えて2006年の診療報酬改正で疾患別リハ区分が登場したため,リハ科の扱う領域を標準化して語るのはさらに難しくなってきている.障害あるいは“dysmobility”を軸にしたリハ科の専門性は臓器別に再編されつつあり,同じリハ科医でも随分異なる専門という印象をもたれる.実際,一般国民のみならず,他科の医師からみても運動器のリハと呼吸器や心臓のリハでは相当の違いがあるように映るのは否めない.
日本専門医制評価・認定機構(http://www.japan-senmon-i.jp/)も,こういった問題を重視して国民にわかりやすいリハ科専門医を定義せよと言ってきている.リハ医学会が本邦の専門医制度の基本領域の1つに位置づけられたことの責任は重い.学会では一般向けに「病気や外傷の結果生じる障害を医学的に診断治療し,機能回復と社会復帰を総合的に提供することを専門とする医師」と説明しているが,この文言から具体的な専門医像をイメージするのは難しいかもしれない.一方,医療界に対しては,臓器によらず障害のすべてをカバーできるのがリハ科専門医であるとし,ジェネラリストの側面を強調して,教育カリキュラムにも多様な障害を含めた.
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