第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《シンポジウム》「運動療法」から「生活活動」へ-「動く」ことの医学的効果とエビデンス-―座長/太田 壽城・間嶋 満
糖尿病と運動,生活指導
佐藤 文彦
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1順天堂大学医学部内科代謝・内分泌学講座
pp.243-246
発行日 2009年4月18日
Published Date 2009/4/18
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はじめに
近年,我が国においても急増する糖尿病患者数をどう抑制していくかが重要な課題となってきている.また耐糖能異常や内臓型肥満があるだけでも心血管イベントが上昇することも明らかとなり,これらがメタボリックシンドロームの診断基準に含まれたこともあって,世間一般でもこれらの危険性・重要性が認知されはじめている.さらに2008年,特定健診・特定保健指導が開始となり,国がこれら生活習慣病患者に対して積極的に取り組んでいくという姿勢を,今まで以上に明確に意思表示していると考えられる.このため,急増する糖尿病患者数を抑制していくためには食事療法と並んで運動療法を,今まで以上に多くの人が取り組める環境作りを整えていくことが急務である.その運動療法を行うことにより,骨格筋における糖取り込みを改善させることは明らかであるが,その詳細なメカニズムについては未だ不明な部分が多い.現在までに骨格筋や肝臓の細胞内へ脂肪が蓄積することが,インスリン抵抗性の発症メカニズムの一部である可能性が示唆されている.
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