第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《シンポジウム》骨関節疾患リハビリテーションの実学(運動器の10年)-変形性膝関節症のリハビリテーション実学-―座長/上尾 豊二・浅山 滉
変形性膝関節症の保存療法としてのリハビリテーション
井原 秀俊
1
,
石橋 敏郎
2
1九州労災病院勤労者骨・関節疾患治療研究センター
2東筑紫学園専門学校九州リハビリテーション大学校理学療法学科
pp.94-99
発行日 2008年2月18日
Published Date 2008/2/18
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はじめに
人類の遠い祖先は,400万年前,四つ足から2本の足で歩き始めたといわれている.歩行の開始は,安定した姿勢を崩すことから始まる.ADL活動は言い換えれば姿勢制御の積み重ねである.前へつんのめりそうになった際に,ステップを踏まないで踏みとどまる場合は,遠位筋より活動するストラテジーが,運動プログラムとして高次連合野に組み込まれている1).移動のための手段であった下肢は,手を使用するために姿勢の安定化という役割を課せられたのである.膝を治療することは,姿勢制御の一部である膝を治療することであるという認識が重要である.
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