リポート「現場,最前線」
当院における言語聴覚士の喀痰吸引研修—院内研修の実際
東 典子
1
,
藤田 正明
2
,
重松 由美子
3
,
武智 智子
3
,
北村 広志
1
,
中澤 優子
4
1総合リハビリテーション伊予病院リハビリテーション部
2総合リハビリテーション伊予病院リハビリテーション科
3総合リハビリテーション伊予病院看護部
4大阪発達総合療育センターリハビリテーション部
pp.48-52
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200072
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1.はじめに
言語聴覚士(以下,ST)が訓練でかかわる摂食・嚥下障害患者には,口腔・咽頭・喉頭の異物(痰/唾液/食物残渣など)を除去するために喀痰吸引を必要とする患者が少なくない.2010年4月30日厚生労働省は,“理学療法士が体位排痰法を実施する際,作業療法士が食事訓練をする際,言語聴覚士が嚥下訓練等を実施する際など,喀痰等の吸引が必要となる場合がある.この喀痰等の吸引については,それぞれの訓練等を安全かつ適切に実施する上で当然に必要となる行為であることを踏まえ,理学療法士及び作業療法士法(昭和40年法律第137号)第2条の第1項の「理学療法」,同条第2項の「作業療法」及び言語聴覚士法(平成9年法律第132号)第2条の「言語訓練その他の訓練」に含まれるものと解し,理学療法士,作業療法士及び言語聴覚士が実施することができる行為として取り扱う.”1)と発令し,STの訓練中における喀痰吸引実施が合法的に可能となった.
しかし,当院では,喀痰吸引に必要な教育・研修などを受けたSTが不在で,摂食・嚥下訓練中にSTによる安全な喀痰吸引ができないことが課題であった.そこで,この課題を解決するために当院で行った教育・研修の取り組みを紹介する.
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