リポート「現場,最前線」
「きこえとことばの教室」における難聴・言語障害児への支援
市之瀬 博子
1
1立川市立けやき台小学校
pp.54-56
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100011
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1.「きこえとことばの教室」とは
東京都では,昭和30年代から通級制の学級を試行し成果を上げてきており,「通級指導学級」を心身障害学級の一形態として認可してきた.1993(平成5)年1月,学校教育法施行規則の一部を改正する省令が出され,制度化された.また,2003(平成15)年12月に東京都心身障害教育改善検討委員会から出された「これからの東京都の特別支援教育の在り方について(最終報告)」にも,「教育の成果と役割を継承しつつ」特別支援教育を推進していくものとして,指導体制に,いわゆる固定の心身障害学級とともに通級指導学級の形態を残すことが明言されている.
「通級指導学級」とは,通常の学級に在籍する軽度の障害(言語障害,情緒障害,弱視,難聴,その他)がある児童・生徒に対して「特別の指導」を行う「特別の場」のことである.通称「きこえとことばの教室」は,難聴・言語障害児のための「通級指導学級」である.難聴学級では難聴児,言語障害学級では構音障害,吃音,言語発達遅滞児などに対して,「通級による指導」を行う.すなわち,各教科などの指導は通常の学級で行い,時間を決めて通ってくる児童・生徒に,障害に応じた「特別の指導」を行う.東京都では,小学生は週1~2回(1回2単位時間=90分)の指導を受けていることが多い.1対1の個別指導が中心であるが,必要に応じて小集団によるグループ指導も行っている.
Copyright © 2004, Japanese Association of Speech-Language-Hearing Therapists. All rights reserved.