特集 地域リハビリテーションの未来を語る
大東市の地域リハビリテーションの歴史と新たな挑戦—行政から営利企業(株式会社)への転換
逢坂 伸子
1
1大東市 保健医療部高齢介護室
pp.405-409
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201262
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はじめに
大阪府大東市は特徴的な産業や観光資源もなく,一般の方には知名度の低い自治体ですが,地域リハビリテーション(以下,地域リハ)の分野では古くから知名度が高く,現在でも老若男女の関係者から地域リハの先進地という言葉をいただいております。
大東市の地域リハの歴史は1960年代中頃に理学療法士の山本和儀氏が地域の障害児の保護者の活動への支援にかかわったところからスタートしています。その後,1973年には市役所に理学療法課が誕生し,初代課長に山本氏が就任しました。大東市の地域リハ活動は療育分野から始まり,療育センターと小学校,その後は保育所,幼稚園,中学校,高校,大学,一般企業から作業所,住民主体の介護予防の拠点となる通いの場などのさまざまな拠点への支援,個人の自宅を含めた地域への支援,道路,公共建築(民間病院,一般店舗を含む)のバリアフリー化への支援など,どんどんと幅が広がっていきました。地域リハ活動の支援者も保育士や教員,保健師,作業療法士,言語聴覚士など多職種になり,ボランティアや議員など住民などを含めて,共に活動する人も増えていきました。私自身は大東市の地域リハの活動を高校2年生の時に初めて知り,見学し,それがきっかけで理学療法士となりました。臨床の理学療法士を見たこともないまま養成校に行き,理学療法士になってしまった変わり種ということです。今でもいろいろな意味で異色な理学療法士であることは自覚しています(苦笑)。そんな古くからの地域リハの歴史を持つ大東市は,今,どこにもない新たな取り組みに挑戦しています。以下,大東市の現状と今後の企みについてご紹介したいと思います。
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