コメディカルのための邪道な脳画像診断養成講座

　大学の教員をしていると，「難しいことをわかりやすく教える」というのは永遠の課題です。しかも，多くの医療従事者が苦手としている「脳画像診断」について，面白く，かつ最後まで興味を引き付けながら教えるというのは至難の業だと思っていました。しかし，この本に出合って，「世の中には画像診断について一気に読ませてしまうほどの本を書く才能のある人がいる」と驚嘆しました。

　学会に行くと会場の書籍コーナーで新刊を手に取るのが楽しみですが，この本は強烈に目に飛び込んできたのを覚えています。まず，「邪道な…」という思いっきり振り切った書名に驚かされました。手に取ってみるとこれまた，イラストというすましたものではなく，「クワッ」など擬音語が飛び交う漫画と脳画像と説明がページをぎっしり埋めている不思議な世界。医学書の既成概念から抜けられない人は，この時点で本を戻してしまうかもしれません。