特集 ライフステージに合わせた地域支援
発達障害のある学生の支援について—障害学生支援コーディネーターの立場から
村田 淳
1
1京都大学学生総合支援センター
pp.528-532
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200427
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はじめに
平成28年4月,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行された。本法はさまざまな場面における“不当な差別的取り扱いの禁止”と“合理的配慮の提供”をうたったものであり,当然ながら,教育機関においてもその責務は明確になった。これにより,大学における障害のある学生に対する支援(以下,障害学生支援)については,これまで以上に充実させることが求められる。もちろん,法的な責務が発生する以前に,障害学生支援は教育機関として普遍的な役割であると考えられる。ただ,このような支援について,コンプライアンスという側面からもアプローチする必要が生じたことは大きな変化であると言える。
本稿では,発達障害のある学生への支援について,主に修学支援(教育上の合理的配慮)を提供する障害学生支援コーディネーターという立場から,支援現場における現状や課題を述べていきたい。ただし,発達障害のある学生への支援は,医療的な相談やカウンセリングなどの学生相談,また,一般的な学習支援など,さまざまなアプローチがあるため,本稿で述べることは大学などにおける発達障害のある学生への支援すべてを包括するものではない点にあらかじめご留意願いたい。
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