連載 感性の輝き・第20回
バラじいとの出会い
澤 幸子
1
1鹿島病院診療部栄養課
pp.135
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200043
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現在の病院に赴任して8年目を迎え,たくさんの患者さんとの出会いがありました。ここ数年は,食欲不振,嚥下障害,終末期の方々を担当させていただく機会が増えてきています。管理栄養士として常に心に留めていることは,どんな状況においても,その方が口から食べたいと願うかぎり,「楽しく食べてもらうために」専門職として力を尽くすことです。食事は栄養を摂取するためだけではなく,「楽しみ」であり「生きる喜び」であってほしいという思いがあるからです。
約2年前,近隣の急性期病院からある1人の医師が赴任してきました。見た目は怖そうだし,口数は少ないし…最初はとても近寄りにくい雰囲気を感じました。しばらくして,その医師と一緒に患者さんを担当することになりました。患者さんやご家族に病状を丁寧に説明し,患者さんが何を思い,何を望んでいるのかをじっくり聞いている姿を見て,人としての温かさが伝わってきました。
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