同人放談
「バラ」談義
御園生 雄三
1
1千葉大学
pp.1048-1049
発行日 1960年11月10日
Published Date 1960/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202322
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放談を全く文字通り受け取つてバラの話を書いて見ることとする。但し医学とは凡そ縁のない話であることを予めお断りしておく。
近所にバラ会の会長さんが住んでいて,3,4本のバラ苗を小生の庭へ植えてくれた。4年前のことである。それからも時々見廻りに来ては勝手に消毒したりして帰つてゆく。然し元来植木などには趣味のない方であるから,噂に聞くバラの肥料や虫とりなど到底柄に合いそうもなく,折角の好意も有難いとも思わずにいた。その中気候のよくなるにつれて枯木のような枝に葉が出たと思ううちに,ある朝美事な花が咲いた。わが庭の朝露を含んだ真紅のバラの香りと気品はまさに神の作り給うた最高傑作の一つと云つても過言ではない。これが小生のバラ作りの始まりで,今では名木(?)数十本を擁して一人前のバラ作りをもつて自任している。
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