Book Review
図解 訪問理学療法技術ガイド—訪問の場で必ず役立つ実践のすべて
半田 一登
1
1公益社団法人 日本理学療法士協会
pp.110
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200033
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
昭和40年に法制化され,翌年から始まった国家試験によって理学療法士が誕生した。当時はこれという教科書がないことが大きな課題であった。そのことが影響したのか,理学療法の標準化が大きく取り残された。さらに理学療法は広がりを見せており,介護保険分野だけではなく,運動を中心とした予防理学療法が少子高齢社会の中で重要視されてきた。しかし,標準化の遅れなどの影響もあり,理学療法の質に対する疑問の声が,新しい理学療法の分野で高まっている。理学療法は治療であり,治療の標準化は責務でもある。
本書では,「訪問理学療法が密室の行為であること」を大きな課題として,密室ゆえに視覚的教育や聴覚的教育のチャンスがなく,訪問理学療法の標準化が遅れているとしている。非常に大切な指摘であり,その課題を克服する手段として図解による技術ガイドを発刊したと序文で書かれている。時宜を得た判断である。
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.