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はじめに
全内視鏡下脊椎手術(full endoscopic spinal surgery:FESS)は,局所麻酔下または全身麻酔下にforaminoscopeとしての特性を生かして側方から進入する場合においては,脊椎の構築と支持要素(supporting elements)をほとんど破壊せずにヘルニア摘出,狭窄症の除圧,後側方固定術などを行うことが可能な最小侵襲手術である14).従来の脊椎手術と大きく異なる点は,生理食塩水の灌流下に手術を行う「水中手術」であることである3).筆者は基本的な補助的脊椎内視鏡として2000年からmicro endoscopic discectomy(MED)を開始し,脊椎内視鏡のラーニングカーブが十分にプラトーに達したと予想された2009年にFESSを開始した.まずfull endoscopic lumbar discectomy(FELD)から始め,以降頸椎レベルおよび狭窄症までFESSの適応を拡大してきた.その過程においてMeyerding grade Ⅱ以下の腰椎すべり症の手術に対してFESSを用いて,固定せず除圧のみですべり症によって生じた椎間孔狭窄を除圧形成するために,full endoscopic lumbar folaminoplasty(FELF)を2014年から開始した.しかし,術後改善度が低いかまたは術後早期の再発を経験し,そのような症例は従来法のposterior lumbar interbody fusion(PLIF),transforaminal lumbar interbody fusion(TLIF)を再手術として行った4,14).これは,まだFELF後にすべり症に対して全内視鏡下に後側方から固定するためのデバイスがなかったためである.しかし,2018年から本邦において後側方から椎間孔内に留置可能な直径10mmのカニューラが承認され使用可能となった.よって,筆者は2019年から全内視鏡下腰椎側方固定術(full endoscopic lateral lumbar interbody fusion:FELIF)を開始した.今回はまずFELFで除圧後に固定が必要となった症例の特徴について,次にFELIFの実際の手技について説明したい.
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