特集 仙腸関節痛の病態と治療
特集にあたって—われわれが悩む仙腸関節障害による痛みの診断と治療は?
松山 幸弘
1
1浜松医科大学整形外科
pp.3
発行日 2022年4月28日
Published Date 2022/4/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201780
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仙腸関節障害の診断と治療について特集を組ませていただいた.それは,仙腸関節の解剖,そしてバイオメカニクスの詳細を知ることによって,仙腸関節障害由来の痛みの診断,そして適切な治療法選択はどのようなフローチャートで行うべきか,最新の知見を盛り込んで少しでも明らかにしたい思いからである.
仙腸関節障害由来の痛みの診断ポイント,保存療法はどのように行うべきか,特に徒手療法,ブロック療法,そのツールについてもシェーマを交えてわかりやすく詳細に論述していただいた.仙腸関節ブロックで上後腸骨棘(PSIS)を中心とした腰殿部痛が軽快した場合,仙腸関節障害と確定診断をつけるが,ブロック効果が持続せず6カ月以上保存的加療を行っても痛みが軽減しない症例がいる.日常生活が困難で就労復帰ができない重症例に対しては,数は少ないが仙腸関節固定術が適応とされてきた.
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