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特集 傍脊柱筋の機能解剖学,姿勢制御と手術アプローチ
第2章 局所解剖と手術アプローチ
仙腸関節の局所解剖とアプローチ
Clinical Anatomy of the Sacroiliac Joint and Surgical Approaches for the Arthrodesis
黒澤 大輔
1
,
村上 栄一
1
Daisuke KUROSAWA
1
,
Eiichi MURAKAMI
1
1JCHO仙台病院整形外科/腰痛・仙腸関節センター
1Department of Orthopaedic Surgery/Low Back Pain and Sacroiliac Joint Center, JCHO Sendai Hospital
キーワード:
仙腸関節
,
sacroiliac joint
,
関節固定術
,
arthrodesis
,
アプローチ
,
surgical approach
Keyword:
仙腸関節
,
sacroiliac joint
,
関節固定術
,
arthrodesis
,
アプローチ
,
surgical approach
pp.383-392
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201107
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仙腸関節の解剖
仙腸関節は仙骨と腸骨の関節面で構成される滑膜関節であるが,周囲は強固な靭帯で覆われ,一部は骨間仙腸靭帯で仙骨と腸骨が靭帯結合をなしている(図 1)3).さらに,後仙腸靭帯,長後仙腸靭帯,仙結節靭帯,仙棘靭帯,前仙腸靭帯,腸腰靭帯により仙腸関節の動きは規定され(図 2),わずかな関節運動のみ可能である.関節は滑走関節と半関節に大きく分類されるが,仙腸関節は半関節に属し,関節腔の領域に加え靭帯領域が占める割合が多いのが特徴である5).このため,Bernard1)は関節腔と後方の靭帯領域の両方を合わせて仙腸関節と定義している.仙腸関節面は滑走関節と違って,ほぼ平面に近いが緩やかに仙骨側が凹で腸骨側が凸になっている(図 3).
仙腸関節の神経支配については,後方はL5,S1-3神経後枝,前方はL4,5,S1からの直接枝に支配されるが,さまざまなvariationがある1,10,22).それらの神経終末の侵害受容器は主に後方の靭帯領域に認められ,関節腔内には少ない24,27).
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