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Spine & Spinal Cord Volume 30, Issue 8 （August 2017）

脊椎脊髄ジャーナル 30巻8号（2017年8月発行）

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特集 NMOとMSの最新情報

NMOのdisease modifying therapy Disease Modifying Therapy for Neuromyelitis Optica Spectrum Disorders 河内泉 ¹ Izumi KAWACHI ¹ ¹新潟大学脳研究所神経内科 ¹Department of Neurology, Brain Research Institute, Niigata University キーワード：視神経脊髄炎（neuromyelitis optica spectrum disorders） , アクアポリン4（aquaporin-4） , 疾患修飾療法（disease modifying therapy） Keyword: 視神経脊髄炎（neuromyelitis optica spectrum disorders） , アクアポリン4（aquaporin-4） , 疾患修飾療法（disease modifying therapy） pp.765-773

発行日 2017年8月25日 Published Date 2017/8/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200688

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参考文献 Reference

はじめに

　視神経脊髄炎（neuromyelitis optica spectrum disorders：NMOSD）は視神経炎と脊髄炎を主要な症候とする中枢神経の自己免疫性炎症性疾患である．多発性硬化症（multiple sclerosis：MS）とともに，二大中枢神経系自己免疫疾患と考えられている．2004年と2005年にMayo ClinicのLennonら^23,24）によってNMOSDの診断バイオマーカー・アクアポリン4（aquaporin-4：AQP4）自己抗体が発見されたことで，MSと似て非なる疾患「NMOSD」を正確に診断することが容易となった．2015年には，Wingerchukら^56）によるNMOSD診断基準の改訂により，診断バイオマーカーの活用と緻密な臨床的特徴が包括され，さらに精度の高い診断が可能となった．NMOSDとMSでは異なる治療ストラテジーの構築が求められているため，その鑑別は重要である．本稿ではNMOSDの病態機序を解説したうえで，開発途上のdisease modifying therapy（DMT）のup-to-dateを解説する．