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特集 高齢者の脊柱変形Up to Date
第3章 特殊病態に対する治療
骨粗鬆症性椎体骨折後後弯に対する治療—椎体形成術を併用した後方short fusionを中心に
Treatment Strategy for Thoracolumbar Kyphosis Caused by Osteoporotic Vertebral Fracture
前田 健
1
Ken MAEDA
1
1総合せき損センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Spinal Injuries Center
キーワード:
骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture)
,
後弯(kyphosis)
,
後方固定(posterior short fusion)
Keyword:
骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture)
,
後弯(kyphosis)
,
後方固定(posterior short fusion)
pp.501-506
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200622
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はじめに
骨粗鬆症をベースにした椎体偽関節は胸腰移行部に生じることが多いが,後弯化に伴う矢状面バランスの破綻は必ず生じるといってよい.ただし,多くの場合,患者の主訴は偽関節局所より生じる腰痛,あるいは遅発性脊髄麻痺であり,後弯に伴うADL,コスメーシスの悪化や体幹前傾による歩行障害に関してはそれほど不満を感じていないこともしばしばである.もちろん,矢状面バランスの破綻自体が腰背部痛の原因となることはよく知られているが,偽関節に伴う腰背部痛は程度がより強く,座位でも頑固な痛みが生じることが多いなど,質的に異なるものである.このような偽関節による骨粗鬆症椎体骨折後後弯症に対して治療を行う際は,患者の愁訴を見極め,年齢や骨密度,全身状態を考慮したうえで,侵襲/手術効果のバランスを慎重に評価し治療計画を立てるべきであろう.ここでは,主に胸腰移行部での骨粗鬆症性椎体偽関節に対する治療について,患者の状態や希望に応じた治療選択について論じたい.
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