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特集 認知症の人に対する新時代の作業療法
認知症のある人の「活動の質」および活動の質を高める方略
“Quality of activities” for people with dementia and strategies to improve quality of activities
小川 真寛
1
Masahiro Ogawa
1
1神戸学院大学
pp.1331-1335
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203598
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Key Questions
Q1:「活動の質」とは何か?
Q2:活動の質の評価法(A-QOA)はどのような評価か?
Q3:認知症のある人の活動の質を高めるための方略は何か?
はじめに
作業療法は,作業に焦点を当てた治療,指導,援助であり,作業とは対象となる人々にとって目的や価値をもつ活動である1).しかしながら,作業療法の対象となるすべての人が,自分にとって意味ある活動について言語的に表出できるとはかぎらない.とりわけ,認知症のある人は自分の意思をうまく他者に表現できないことがある.そのため,OTはさまざまな活動を通じて働きかけ,その反応を観察から分析し,どのように活動を展開するかを検討している2).そして,意思疎通が困難な対象者の表情,仕草,発言等,ナラティブな面を解釈し,介入方法の検討をするプロセスを展開している3).
この解釈を補助するために,「活動の質」つまり「活動と対象者の結びつきの強さ」を観察から評価するツールとして,筆者らは活動の質評価法(Assessment of Quality of Activities:A-QOA)を開発してきた.A-QOAを用いることで,ナラティブな情報をエビデンスの高い情報,つまり数値化,さらには枠組みを用いて言語化することで,作業療法の質を高めることができると考えている.
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