連載 作業療法士さんのためのグラフィックで伝える講座・第1回【新連載】
視覚言語としてのグラフィックを学ぼう!—絵と図を組み合わせた伝達方法とは?
清水 淳子
1
Junko Shimizu
1
1多摩美術大学 情報デザイン学科
pp.332-337
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202934
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情報を描き出すグラフィックレコーディング
はじめまして.私は2009年(平成21年)に美術大学を卒業して,デザイナーとして働くかたわら,2013年(平成25年)よりグラフィックレコーダーという職業を名乗って活動しています.グラフィックレコーディングとは,対話や議論をリアルタイムでビジュアルに描き出す手法です.商品開発や新しい事業を考える会議,または個人の言葉にならない悩みをみんなで考える対話の場,さまざまな話し合いの場が仕事場です.そこで,対話の内容や人々の声を,その場で,可視化できるようイラストや図などを用いて描き,対話を促進するビジュアル(グラフィック)をつくります.
もしかして「グラフィック」と聞くと,美術や芸術というイメージが浮かび,自己表現のようなものだと想像する人も多いかもしれません.しかし,私が取り組んでいるグラフィックレコーディングの活動は,自分の感性を伝えるための自己表現ではなく,どちらかというと,ある言葉を違う方式に通訳/翻訳するような仕事に近いです.本連載では,私がグラフィックレコーダーとして培ってきた経験から,皆さんが取り組んでいる作業療法の仕事の中で,絵と図で物事を伝える方法,つまり「視覚言語としてのグラフィック」を取り入れていく方法を考えていきたいと思います.
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