昭和の暮らし・第60回
誌上展示11:応接間
市橋 芳則
1
1北名古屋市歴史民俗資料館
pp.1550
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202822
- 有料閲覧
- 文献概要
実は,昭和30〜40年代に,多くの家庭で取り入れられた典型的な部屋があった.応接間という洋室である.
今では応接間というと企業で商談等に使われる応接室をイメージする方も多いだろう.昭和の当時,新築の家はもちろんのこと,すでに住み慣れた古い日本家屋でも,建具を障子やふすまから洋風のガラス戸にしたり,また土壁を木目調の化粧ベニヤ板で覆ったり,畳を板敷きに替え,洋室に改装した.そして,テーブル等の応接家具を置くことで,客人をソファで招待する場として応接間が造られた.サイドボードが配され,洋酒や高価な食器がディスプレイされた.さらに,ステレオも定番で,その大きなスピーカーから流れる音楽にも存在感があった.
Copyright © 2021, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.