あなたにとって作業療法とは何ですか？

Doingとbeing を支えwellbeingを高めるお手伝い

　私はOTとして，一人ひとりのdoingとbeingを支え，meaningを見いだし，wellbeingを高め，クライエントと生きる喜びを共有する存在でありたいと思っています．恩師，実習指導者の先生，臨床での先輩OT，クライエント，本の著者……さまざまな方々の影響をいただいて，今の私の“OT観”があります．英国のOTが書かれたWellbeing in Dementia^1）からも大きな影響を受けました．“認知症の旅は，doingからbeingの生活に移るものであり，完全な依存に至る旅を支え，癒し，楽にできる何かを手に入れる機会を提供すること”，“認知機能の低下がill-beingになるわけではない．私たちが彼らの認知機能を誤解することが，ill-beingにつながる”^1）．

　WFOTの作業療法の定義，WHOの健康の定義にもwellbeingという言葉が出てきます．難しいことではありますが，ご縁をいただいたクライエントの方と，「いま，ここ」を共有させていただけることに感謝し，「生きる喜び」を共に味わい，wellbeingを高めるお手伝いができればと思っています．