ふぉーらむ
AI(人工知能)と精神療法
大野 裕
1
1大野研究所
pp.1228-1229
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202287
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2000年のころだったと思うが,人面魚のシーマン(ビバリウム社)をテレビで観たときは驚いた.魚の胴部に人間の顔がついていて,ふてぶてしい態度で人間とやり取りをしている.私は,その姿や態度に驚きながら,不思議と微笑ましく感じられた.後になって,シーマンが育成シミュレーションゲームのキャラクターで,大昔から受け継がれた知恵をもっているという設定だと知り,こうしたキャラクターが気持ちを楽にするのに役立つのではないかと考えた.
このように書くと,こうしたデジタルの産物にカウンセラーの代役はできないだろうと考える人がほとんどだろう.私もそう思っていた一人だ.しかし,シーマンを目にしたとき,精神療法の師匠だった小此木啓吾先生が以前に何気なくもらした言葉を思い出した.
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