増刊号 スポーツがもつ可能性—作業療法への期待
第2章 身体障害とスポーツ
2 障害者ゴルフの可能性
永野 亮太
1
Ryota Nagano
1
1障害者支援施設聖マーガレットホーム
pp.760-764
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201780
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はじめに
ゴルフ愛好者の中には,会社の付き合いで始めたが,広大な敷地とグリーンの映える芝を目の前にした開放感から,その魅力に夢中になる人も多いことだろう.また.他のスポーツと比較して,高齢になっても長い期間プレーできることもゴルフの楽しみの一つかもしれない.そしてゴルフは,歩く運動が多く,幅広い年代で行うことができる生涯スポーツの代表格といわれることが多い.
しかし,『レジャー白書2018』1)によると,近年,ゴルファー人口は減少傾向にある.北らの調査2)でも,ゴルフを行う人は若年層から70代までと幅広い年齢層となっているが,徐々にゴルフ離れが進んでいる.その理由として,経済的理由,退職を機に人間関係が変わる,ゴルフ仲間がいなくなる等,定年を迎えた後のライフスタイルの変化が大きな要因に挙げられる.また,健康を害してゴルフをやめる人の割合が70代に多い2)ことも注目すべき点である.
歩く運動が多く,人と人とのつながりがつくれる等,健康と幸福感の獲得が期待できるゴルフであるが,今後「人生100歳時代」を迎え,余暇を過ごす時間が増える日本において,その有用性に着目しない手はないだろう.無論,ゴルフの恩恵は高齢者だけでなく,障害者でも受けることができる.そこで以下に当地域で行われている障害者ゴルフの取り組みを紹介し,障害者ゴルフの今後の可能性について整理する.
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