昭和の暮らし・第26回
日光写真
市橋 芳則
1
1北名古屋市歴史民俗資料館
pp.206
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201616
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科学玩具の代表格でもある日光写真はサンピクチャー等とも呼ばれ,印画紙(感光紙)の上に種紙を置き,それを太陽の光にさらすことによって印画紙が感光し,写真ができ上がるものである.種紙に描かれた柄が光を遮り印画紙が感光しないため,絵柄とは白黒が反転した写真ができ上がる.ただし,定着液を用いないので,数日で画像は消えてしまう.
種紙は,トレーシングペーパーのような光を通す薄い紙にモノクロで印刷されている.大きなシートに何枚もの絵柄が並んでいて,そこから一枚一枚を切り離して使用する.絵柄は時代によって変化しており,戦前のものでは道徳,戦時下の暮らし,時代劇等が描かれ,昭和30年代に入るとテレビ等に登場するキャラクターや人気俳優が多く用いられるようになってくる.
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