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特集 パラリンピックへのOTの貢献
障がい者スポーツにおけるクラス分け—選手・コーチの視点を中心に
Para-sports classification system:from athletes and coaches' standpoints
佐藤 広之
1,2
Hiroyuki Sato
1,2
1目白大学
2日本知的障がい者陸上競技連盟
pp.1014-1019
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201438
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Key Questions
Q1:クラス分けが必要な理由とは?
Q2:クラス分けの問題点とは?
Q3:選手・コーチにクラス分けはどのような影響があるか?
クラス分けが必要な理由
健常者の競技スポーツでは,年齢,男女や体重別等の種目を設けることはあっても,一般にそうした区分の中でさらに体格差や体力差を考慮することはなく,体格差での有利不利が生じたり,体力差がパフォーマンスに影響したりするが,それも含めて予選や選考会を勝ち抜いた者同士で力を出し切ることで競争が成立している.
しかし,障がい者の身体機能は障がいの種類やその程度によって大きく異なり,戦わずして勝敗が決してしまうようなことも起きかねない.たとえばマラソンの場合,車いすマラソンの世界記録は,男子が1時間20分14秒(ハインツ・フライ),女子が1時間38分7秒(土田和歌子,マニュエラ・シャー)で,健常者では男子が2時間2分57秒(デニス・キプルト・キメット),女子が2時間15分25秒(ポーラ・ラドクリフ)であり,健常者のトップアスリートでも車いすのスピードには到底及ばない.ましてや車いすアスリートとそれ以外の障がい者アスリートがマラソンで競ったところで,まったく勝負にならない.
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