増刊号 発達障害の作業療法
第2章 発達障害の支援と作業療法—幼児期から青年期・成人まで
7 発達障害者支援センターで働く作業療法士の役割—長崎県での取り組みを通して
副島 悠紀
1
Yuki Soejima
1
1長崎県発達障害者支援センター「しおさい」
pp.772-777
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201376
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はじめに
2005年(平成17年)1月,長崎県発達障害者支援センターは開設された.
開所して13年,私は現在「発達障害者地域支援マネジャー」として勤務している.OTとして,相談支援専門員としての知識や経験を活かし,地域の身近な場所で支援が受けられるよう,企業や教育機関,福祉サービス事業所等,支援をする立場の方々をサポートしている.
当センターにおける相談の対象者は,高校生以上が85%を占めており,20〜30代の青年期が多い.主訴は「就労」,「自立」がほとんどであるが,実際は来所ですら親が送迎していたり,ほしい物は親が買っていたり,好きな時間に起きて好きな時間に食べていたり,それ以前の課題を抱えており,就労の支援に取り組める状況に至っていないケースが目立つ.
10年前からすると,就労に関して支援をする機関は充実してきた.何より,発達障害に関して周知され,支援機関・福祉サービス事業所はもちろん,企業や一般の方々にも知られるようになっている.今まで利用できなかったサービスも使えるようになったため,職業や自立等に関してのスキルが身についている相談者は,ハローワークや障害者職業センター,障害者就業・生活支援センター等の他機関での就労支援を利用する流れが多い.その過程で,発達障害に特化しての支援,就労先の支援者への支援が必要になった場合,他関係機関と連携し,発達障害者地域支援マネジャーが出向くことになる.
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