複数の疾患を抱え，転倒と入退院を繰り返す事例

事例提示

Aさん，80代，女性．要介護2，寝たきり度A2，認知症自立度 Ⅱ

性格：穏やかで上品．ヘルパーやリハスタッフ等，他者への気遣いもみられる

家族：一人娘の長女と二人暮らし．主介護者である長女は平日フルタイム勤務のため，日中は介護保険サービスを利用している．夫は40年前に他界

生活歴：4人きょうだいの長女．20代で専業主婦となる前は料理や裁縫を習い，デパートで装飾品の販売をしていた．現在はベッド周辺での生活になり，テレビを観て過ごすことが多い．外出は娘の休日に介助のもと，美容室や外食に行く．リハが一番楽しいと話す

病歴・入院歴：狭心症（59歳），糖尿病・高脂血症（70歳），B型肝炎（72歳），一過性虚血発作（73歳），膵囊胞腫瘍（75歳），パーキンソン病指摘（76歳），腹壁瘢痕ヘルニア（77歳）．

　2016年春，自宅で転倒し，腰椎圧迫骨折受傷．入院中尿路感染症，敗血症を発症し改善するも，ADLの低下が認められリハ導入となる．同年夏，尿路感染症のため2週間入院．秋に自宅内で転倒し，尾骨骨折受傷．4週間の安静後，下肢筋力および支持性低下

趣味：以前は，旅行，裁縫，料理．現在は長女との外出（食事，カラオケ），テレビ鑑賞

処方薬（朝-昼-夕）：一硝酸イソソルビト錠（狭心症治療剤）2-0-2，ニコランジル錠（狭心症治療剤）2-0-2，酸化マグネシウム錠（制酸・緩下剤）1-0-1，アスピリン錠（抗血小板剤）1-0-0，ランソプラゾール（消化性潰瘍溶用剤）1-0-0，ニフェジピンCR錠（血管拡張剤）1-0-0，トラセミド錠（利尿剤）1-0-0，フロセミド錠（利尿剤）1-0-0，レボドパ・カルビドパ錠（抗パーキンソン剤）2-2-2，自己注射剤インスリン アスパルト，硝酸イソソルビトテープ1日1枚