連載 当事者に聞く 自立生活という暮らしのかたち【最終回】
6人の取材を通して考えたこと
河本 のぞみ
1
Nozomi KAWAMOTO
1
1訪問看護ステーション住吉
pp.1463-1470
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100358
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
施設に関して
今年(2013年)9月,連載1回目の水島秀俊さんの自立生活10周年記念パーティーが開かれた.会場は,ハゼドン倶楽部(彼が幹事をしている釣り同好会)の,いつもの釣り場にある食堂.少し遅れて会場に向かって車を走らせていた私は,太平洋沿いのバイパスから,台風間近の海をちらちら見た.普段より大きな波が,押し寄せている.山寄りに住む私は,海辺を車で走ることは,ほとんどない.それでもこの日の波が荒いことはわかる.
津波が来たら,あの波が何倍にもふくれ上がって,このバイパス上の車など,一瞬に呑み込むのだろう.そんなふうにして奪われる命は,どんなに無念だろう.そんなことばかり,思った.1年前に始まった取材を通して,私は少しは当事者に近づけたのだろうか.
Copyright © 2013, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.