連載 当事者に聞く 自立生活という暮らしのかたち・第3回
道具を使いこなす人―茉本亜沙子さんの場合
河本 のぞみ
1
Nozomi KAWAMOTO
1
1訪問看護ステーション住吉
pp.1162-1168
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100275
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閉じ込め症候群
朝の通学生の列に車が突っ込むというニュースは時々聞く.報道されて,人々は「ああ,またひどいこと……」とそのとき思い,だがすぐに日常生活に戻っていく.そして,当事者たちはそこから思いがけない苦しい日々が始まる.
1回目に紹介した水島秀俊さんも交通事故の被害者だった.そして,今回の茉本亜沙子さんも,まさに朝の通学途上,居眠り運転のトラックに突っ込まれた.中学1年生だった.4人の被害者の中で一番出血が少なかった亜沙子さんは,しかし救急車にのせられたときはすでに瞳孔が開いていた.1980年(昭和55年)10月のことだ.
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