特集 OTの臨床実践に役立つ理論と技術―概念から各種応用まで
第4章:内部障害に関するもの
1.呼吸リハビリテーション
山下 妙子
1
1兵庫医科大学ささやま医療センター
pp.722-728
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100184
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はじめに
呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)の定義は,「呼吸器の病気によって生じた障害を持つ患者に対して,可能な限り機能を回復,あるいは維持させて,これにより患者自身が自立できるように継続的に支援していくための医療」1)である.この概念は包括的なものと理解され,欧米では1997年(平成9年)のACCP/AACVPR共同ガイドライン2)において,多職種にわたり構成されるチームの中でOTもその一員としての役割を担っている.一方で従来のわが国における呼吸リハは,医師やPT,看護師の関わりが中心であり,OTの積極的な関わりは一部に限られていたのが現状である.しかしながら2008年(平成20年)の診療報酬改定以降,呼吸リハにOTが介入する機会も増え,日常生活動作(以下,ADL)やそれに関連した応用動作(以下,IADL)に対する支援を主として,近年OTの必要性やその役割が認識されるようになりつつある.このような経緯をふまえ,今回は呼吸器疾患の中でも代表的な慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)を中心に,呼吸リハにおける作業療法について解説する.
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