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編集後記
岩﨑 昭憲
pp.700
発行日 2005年12月15日
Published Date 2005/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900664
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食道手術の特集のなかでもみられたように,内視鏡手術における器具の工夫は,必要は発明の母に通じるものがあります.現在の内視鏡器具は機器メーカーにより供給されているものがほとんどですが,なかには臨床の現場で術者のアイディアを参考にして世に登場したものも数多くあります.自動縫合器など複雑な機構をもったものは別として,術者のちょっとした発想からわれわれ使用者にとって有用である器具が生まれています.とかく道具へのこだわりは男性にありがちな性格ですが,ノートPCをはじめ時計,カーナビ,DVDプレーヤーなどは常に生活スタイルにあわせ新しい機能を付加し進化しており,内視鏡手術でもより便利な機器が登場すればできれば使いたいと願うのは共通した思いではないでしょうか.よい道具を使うことが必ずしもよい内視鏡手術につながるわけではありませんが,自分たちにあったこだわりの器具を持つことは,満足のいく手術の第一歩につながるのではないでしょうか.いつも借り出した器具を使用するという姿勢では,内視鏡手術の達人にはなれないのかもしれません.
今や外科関連学会の展示場は,内視鏡外科に関連した機器の展示のブースが年々広くなっており,足を運ぶたびに新しいものが所狭しと並べられ,ついつい電化製品のようにほしくなるのも事実です.どこまでこだわるかで必要な器具も決まってくるわけですが,それこそ予算もあるわけで,家庭で妻に嘆願して購入するのとは異なり,病院予算との兼ね合いにならざるをえません.
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