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編集後記
出月 康夫
pp.598
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900282
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札幌での学術集会も盛会のうちに終わり,内視鏡外科がわが国に根づき,着実に発展しつつあることを改めて実感している.最近では外科系の多くの学会の学術集会でも,内視鏡下手術に関連したテーマが大きく取り上げられ,外科系領域での医療に内視鏡下手術が不可欠のものとなりつつあるが,このような普及に伴って,学会としても早急に取り組まなければならない重要課題も山積している.
内視鏡下手術への社会保険の適用は国民皆保険制度を実施しているわが国では不可欠である.来年4月に行われる予定の診療報酬の改定に向けて,外科系杜会保険診療委員会連合(外保連)が10月にまとめた外科系各学会からの重点要望項目は205項目にのぼるが,そのなかの約10%が内視鏡外科手術に関連したものであることも,この事情を如実に物語っている.昨今のわが国の厳しい財政状況では,来年4月に医療費の改定が行われるかどうかも不透明であり,改定が行われるとしてもマイナス改定となるとの情報が流れている現況では,新しい領域である内視鏡下手術にどこまで社会保険が適用されるかは,まったく未知数である.現在の医療制度の仕組みでは,手術や処置などについての保険適用の要望は医師側(専門学会や医師会)から出されることになっている.しかし,実際にその恩恵を受けるのは患者であることを,厚生労働省も国民もしっかりと認識して,患者にとって必要な新しい手術は早急に保険に適用して欲しいものである.
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