編集後記

　2021年4月より本誌編集委員を拝命いたしました，藤田医科大学・総合消化器外科の柴崎晋と申します．現在も増加の一途を辿る内視鏡外科手術において中心的な役割を果たしている日本内視鏡外科学会の和文誌編集委員の一員に加えて頂きまして大変光栄に存じます．これまでは投稿する側の視点で論文を読むことが多かったのですが，査読者側の視点で見ると新たに気付くことも多く，日々の成長を実感しております．また，毎回の編集会議で各領域の先生方から専門的なコメントを多く聞かせて頂き，それもまた勉強になっております．

　本号は，原著1編，症例報告4編，私の工夫1編を掲載しております．肝外側区脱転法，正中弓状靱帯圧迫症候群に対する後腹膜手術，内視鏡手術用測定機能付きガーゼに関する報告などは，本誌の特徴である領域横断的視点で参考になる，非常に興味深い内容と感じます．本邦初の腹壁瘢痕ヘルニアに対するロボット支援手術もきれいな術中所見の画像とともに報告されており，今後の大いなる可能性を感じさせてくれます．その他も非常に珍しい胆囊穿孔の報告や，重複下大静脈を伴うロボット直腸癌手術なども，臨床的な価値の高い内容と思われます．是非ともご一読頂き，明日からの臨床にお役立て頂けますと幸いです．