特集 腹腔鏡下胃癌手術における工夫
〔エディトリアル〕腹腔鏡下リンパ節郭清の精度向上と安全性の高い再建法のために
宇山 一朗
1
1藤田保健衛生大学上部消化管外科
pp.149
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426100166
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1991年に北野らがわが国で初めて胃癌に対する腹腔鏡下手術を導入して以来,早17年が経過しようとしている.本学会の第8回アンケート調査結果によると,2005年までに総数12,626例の腹腔鏡下胃癌手術が施行され,2005年では1年間に約2,600例の腹腔鏡下手術が施行されるまでになった.また技術の進歩と適応拡大に伴い,リンパ節郭清度はD1+βとD2で全体の約60~70%を占めているのが現状である.また2004年と2005年の術後合併症の発生は総計418例であったが,そのうち吻合に関する合併症が230例と過半数を占めていた.そこで腹腔鏡下D1+βおよびD2リンパ節郭清,機能温存手術,再建法の工夫を中心に本特集を企画した.
松井らには最も施行症例の多い幽門側胃切除におけるD1+βリンパ節郭清の工夫,術者と助手が両手を有効に使い,三角形の面を作成しつつ視野展開を行う三角法などの工夫について述べていただいた.
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