手術テクニック
胸腔鏡下手術における視野の確保
岩﨑 正之
1
,
井上 宏司
1
1東海大学医学部外科学教室呼吸器外科
pp.377-378
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4425900136
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はじめに
胸腔鏡下手術において,視野の確保として最も重要なのは,麻酔時の片肺換気である.片肺換気なくして胸腔鏡下手術はありえないものと考える.加えて,選択的気管支ブロックによる片肺麻酔(例えば,右中下葉ブロック,右下葉ブロックなど)が,ハイリスク症例の胸腔鏡下手術を可能にしている.つぎに重要なことは,患者の術中体位である.縦隔で固定された肺・心臓および腫瘍を,重力を利用してほんのわずか手術台をローテーションさせるだけでより良好な視野が確保でき,術者のストレスを軽減させることがある.そして,さらに重要なことは,胸腔内操作に合ったさまざまな鉗子類を選択することである.
ここでは,片肺換気を除いた胸腔内操作の視野の確保を中心に述べる.
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