特集1 救急医療のリベラルアーツ 働き方改革の本質と戦略
【Part 2】救急医が子を産み,育てるとき
7.救急医として働き続けるために
中澤 佳穂子
1
Kahoko NAKAZAWA
1
1帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター
pp.54-59
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200010
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女性医師の卒後(医籍登録後)年数別就業率が「M字カーブ」を描くことはよく知られている。卒後の94.6%から急降下し,卒後12年には73.4%と最低値となる。その後再上昇して,36年頃を境に男女ともに降下していく。女性医師が仕事を中断(休職)・離職する最多の理由は出産(70%)である1)。
医師不足や少子化が叫ばれて久しいが,出産後に仕事を継続するか否かは個人の自由であり,それぞれの価値観と背景に基づいて決定するものである。したがって,妊娠・出産を考慮するときには,まず「自分がどのようにしたいか」を考えることが重要である。
本稿では,法定の産前産後休業(産休)・育児休業(育休)の範囲で休職し,救急科へ復帰,その後も勤務することを考えている救急科女性医師を対象に,「妊娠判明から育休後復帰の準備まで」に焦点を当てて,育児しながら救急医を継続するために考えておくべきことなどを時系列に沿って述べる。
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