別冊秋号 透析と麻酔
PART3 透析患者の合併症と周術期の対処
25 シャントに起因する変化
伊藤 秀和
1
1豊川市民病院 麻酔科
pp.191-194
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200377
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維持透析として血液透析を行う場合,短時間で血液中の老廃物を除去する必要があるため,血流の多い血管から脱血する必要がある。またその頻度は週3回と高頻度である。つまり血液透析には血流量が多くアクセスが容易な血管が必要不可欠であり,これをバスキュラーアクセスvascular access(VA)と呼ぶ。本稿のテーマであるシャントは,そのVAの一種である。
医学用語としてのシャントは,血液などが本来流れるルートとは別のルートを流れることを指す。動脈と静脈を吻合(シャント)して血流量を増加させた「動脈化した静脈」から脱血・返血することにより安全かつ効率的な血液透析を可能とするものである。
以下にシャントの種類とそれに起因する変化,合併症について述べる。
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