特集 STI/HIV
Part 2 HIV
13.おさえておきたい日和見感染症(臓器別)① 呼吸器疾患(ニューモシスチス肺炎)—日本のHIV感染者の日和見感染症の半数近くを占める
黒田 浩一
1
Hirokazu KURODA
1
1神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科
pp.965-975
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901221
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強力な抗レトロウイルス療法(ART*1)と,ニューモシスチス肺炎Pneumocystis pneumonia(PCP)予防の導入後,先進国ではPCPや結核などのAIDS*2関連日和見感染症の発症率は劇的に減少したが,依然として肺感染症はHIV感染者が罹患し,入院・死亡の主な原因となる病態である1〜5)。先進国では,細菌性肺炎が最多で,PCP,結核と続くが,頻度は高くないものの,非結核性抗酸菌(NTM),サイトメガロウイルス(CMV),Cryptococcus属真菌などもHIV感染者の重篤な肺感染症の原因となる1,6)。
本稿では,まずAIDS指標疾患で最も頻度が高い感染症であるPCPの診断・治療・予防について解説する。
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