特集 感染症3
Part 1 病態編① シナリオ別に考える発熱患者・感染症への対応
5.顆粒球減少患者の発熱—内科的緊急事態としての対応と丁寧な原因追求とを両立させる
藤田 崇宏
1
Takahiro FUJITA
1
1北海道がんセンター 感染症内科
pp.583-588
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901064
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顆粒球減少性発熱〔=発熱性好中球減少症febrile neutropenia(FN)〕は,がん患者の感染症における代表的な症候群であり,内科的緊急事態である。歴史的に死亡率の高いことが知られており,すみやかな抗菌薬投与が必要とされるが,個別のリスク評価や原因追求を怠ると,抗菌薬乱用による耐性菌誘導の原因となりやすい。迅速な対応と一例一例の丁寧な原因追求とを両立させることが診療の目標である。
本稿では,米国のNCCN(National Comprehensive Cancer Network®)1)のがん患者の感染症のガイドライン*1を主たる参照元として,FNのマネジメントについてまとめる。
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