特集 脳梗塞
5.脳梗塞の慢性期治療—抗血栓薬による加療とリスク因子の管理のエビデンスを中心に
志賀 裕二
1
Yuji SHIGA
1
1翠清会梶川病院 脳神経内科
pp.275-294
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901022
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脳梗塞の再発予防は,主には抗血栓薬による加療とリスク因子の管理である。21世紀に入り脳梗塞の急性期治療の進歩は目覚ましく,再発予防で使用する薬剤にも,直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)と総称される抗凝固薬が新たに4剤加わっている。また,出血時の使用に限定はされるが,第Ⅹa因子阻害薬に対する中和薬アンデキサネット アルファの日常診療における使用も可能となった。抗血小板薬でもプラスグレルをはじめとする多様な薬剤が登場し,併用療法を含めた新たなエビデンスも次々と報告され,常に情報を更新していく必要がある。
本稿では主に慢性期の治療として,抗血栓薬による加療とリスク因子の管理について,抗血栓薬服用患者の手術前の休薬や出血時の対応といった,日常診療でよく遭遇する事案を想定しながら,解説する。
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