今月の主題 リポ蛋白—最近の知識
リポ蛋白と動脈硬化をめぐって
疫学からみた危険因子—脳動脈—脳梗塞を中心にして
高松 滋
1
,
目時 弘文
2
1弘前大脳卒中研病態生理
2黎明郷リハビリテーション病院
pp.2416-2418
発行日 1978年12月10日
Published Date 1978/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208387
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はじめに
脳の動脈硬化の終末像は脳虚血の結果として脳梗塞の形で現れる.しかし,脳の虚血病変は頸部などの動脈の硬化に基づくものも多く,「脳動脈の硬化」についての観察をすすめる場合,脳梗塞の原因となる頭蓋内外の動脈の硬化を合わせて取り上げる必要がある.近年の動脈硬化におけるリポ蛋白研究の特色として,従来のように硬化促進面からの低比重リポ蛋白(LDL),超低比重リポ蛋白(VLDL)の追究のほかに,硬化抑制面からの追究が高比重リポ蛋白(HDL)を中心にして広く行われていることがあげられる.本稿ではこれら最近のリポ蛋白研究に焦点を合わせ,動脈硬化を基盤とはするが,一般には脂質の関与が少ないといわれている脳梗塞を中心に,脳の動脈の硬化とリポ蛋白との関係について眺めてみたい.
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